感ガエル

日記になればいいなぁ

#もしもSNSがなかったら

 

先日、「SNS展 #もしもSNSがなかったら」に行ってきた。

moshimo-sns.jp

 

SNSは普段からよく使ってるし、メディアを題材にレポートを書いてたこともあって、興味はすごくあった。

これに行くきっかけになったのは同居人に

 

「これ面白そうじゃない?」

 

ってLINEで誘われたから。

で、その3秒後には

 

「あ、行く。」

 

って返してた。

 

で、

「そういえばSNSっていつからあるんだろうな」とか「LINEが消えたら連絡取れない人ってどれくらいいるんだろ」

って考えながら電車に揺られて、その後歩いてたら着いてた。

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もう夜やん。もう終わるやん。って思いながら中へ。(家を出たのが遅かったせいなんだけど)

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「入場無料」の四文字に感謝の意を評しながら入るとなんと展示は写真撮影OKとのこと。

「あぁ、神」なんて使うことないと思ってた言葉が出た。(最近多くなってきたけど写真撮影OKは僕にとってすごくありがたい。)

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 この展覧会で展示されていたのは大きく分けて4つ。

① キュレーターによって選ばれた公募作品

② キュレーターの作品

③ ”She is” が選んだアーティストの作品

④ 「#もしもSNSがなかったら」で寄せられた投稿で作られた作品

 

キュレーターには様々な分野で活躍されている方々。のんさんや、ゆうこすさんなどがいました。

"She is"は

自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ(公式サイトより引用)

らしい。僕も知らなかった。

 

 

 

 

で、ここからが感想。

まず始めに入場者の年齢層が若い。

僕がよく行く美術館やアートの展覧会に比べると、格段に低い。僕の行った時間帯が遅かった、というか終わる間際だったことも一つの要因かもしれないけど、それよりも大きいのが参加しているアーティストやキュレーターが大きく影響力を持っている層が10代〜20代女子だったていうことだと思う。

実際の来場客数の年代別データなどを見ていない(というか公開されない?)ので一概に低かったとは言えないけど、僕としては僕らよりも上の年代や、SNSを知らないだけでなんの理由も無しに怖いものだと決めつけている人がたくさん行ってくれていたら嬉しいと思う。

 次に展覧会全体として、TwitterFacebookInstagramの三つのSNSに焦点が当てられてた。日本人がよく使ってるSNSといったらこの3つが上がるからかな。 

けど

SNSの定義を「ネット空間において繋がりが形成可能なサービス」とするとLINEもそうだと思ってたんだけど、今回はそんなに大きくは扱われてなかった。(「SNS」って言葉だけ聞くと自由に誰とでもネットワークを形成可能っていうイメージが強く出るからっていうのもあるかも)

ここからはLINEもSNSとして含めて進めるけど、今の10~20代の人でSNSを利用してない人ってもうほとんどいないんじゃないかって思う。

 

ちなみに、

SNSの起源

=インターネットを民間人が利用できるようになったタイミング

=1995年にNSFNetが民間へ移管されたタイミング

で、 

SNSが本格的に使用されるようになった(FacebookTwitterの登場・日本上陸)のは2000年代前半のこと

 つまり、今20代の人が10歳くらいの時にはSNSは使う人は少ないけど使われていたってことになる。

 

 だから、冒頭でも書いたけどLINEがなくなったら正直ほとんどの人と連絡が取れなくなる。(確認してみてほしい。僕と同じ年代の人だと高校以降に出会ったほとんどの人とは連絡取れなくなるんじゃない?)

 

今は連絡先聞くときも電話番号よりもLINEのQRコードを見せてもらうし、所属する組織内での伝達事項もLINEのグループ機能を使って行ってる。

 

つまり、LINEはある意味でのインフラとも言える存在にまでなってるから、もう僕らの生活からは切っても切り離せないものになった。

 

でもLINEはまだ他のSNSに比べて、SNS色(自由に誰とでもネットワークを形成可能っていうイメージの強さ)の薄いサービスだと思う。

LINEって今まで電話番号とかメールアドレスの代わりみたいなものとして使われてるから代替品として役割を果たしてるけど、TwitterFacebookはそれだけじゃない。

 

 

僕は大きく以下の2つはSNSTwitterFacebookを背景に)の大きな特徴だと思う。

① 時間も距離も飛び越えて、点から点へとつなぎ合わせることができるようになった。

② 利用者が均質化された発信空間を作り上げた。

 

  

1つ目。例えばTwitterで「趣味垢」を持ってれば想像できると思うけど、リアルで全く会ったことのない人に繋がることができるようになった。あるライブが好きな人のアカウントには他のライブが好きな人が実際には会ったことないけど、フォロワーにいる。Facebookでも「知り合いかも!」には「あ、この人名前だけ聞いたことあるわ」って人がいっぱい出てくる。

 

これがSNS無しだと「ライブが好き」ってだけの人2人が出会うことはまず無い。顔と名前だけ知ってる人をそれ以上知ることはできない。

 本当に繋がろうと思ったら膨大な時間を労力を必要とするのに、今ではタップひとつするだけで繋がれてしまう。

こういう風に散らばっている点(人)と点を自由自在に結びつけられるのはすごく大きなことだと思う。

 

 

2つ目。FacebookTwitterInstagramもタイムライン機能がある。時系列に沿って自分がフォローしている人が発信していることを見ることができたり、自分から発信することだってできる。

 これってすごく面白い。

 例えばクラスではあんまり話さない子がTwitterのツイート数が20,000件だったりする。そうするとクラスでは全然喋らないあの子の言葉でタイムラインが埋め尽くされたりする。そう、ここにはクラス内の序列や発言機会の不平等さは存在しない。誰もが決められた字数で自分の言いたいことを言えるし、それはフォローしてくれてる人に平等に届く。

 

これが僕の思うSNSの特徴なんだけど、これは同時に弊害も生んでる。

 

 1つ目で言うと、SNSを使うことによって人は点と点の繋ぎ方は上手くなったと思うけど、線の引き方は忘れつつあるように思う。どこに行くにしたってgoogleマップを使えば目的地までの距離と時間が最短距離で出てくる。何かを調べるときもキーワードを打ち込めばすぐに出てくる。

 

すごく便利だけど、道中の偶然性は無視される。

 

線を引いていくことはその目的よりもプロセスに重きを置くから、そのプロセスでは何が起こるか分からない。その偶然性はとても面白いし、普段とは違う視点を与えてくれたりする。不特定多数の人と自由に繋がれることによって生まれる偶然もあるけど、線を結ぶことによる偶然もそれに劣らず面白いと思う。

 

 それから二つ目で言うと、人との距離が常に密接状態になってしまう。これが原因でSNSから離れる人もいるんじゃないかと思うけど、アプリを開けばタイムラインが自動的に表示されるからフォローしている人たちの今が嫌でも目に飛び込んでくる。今まではリアルに会うか、電話で話すかしないと情報は来なかった。少なくとも、今よりも能動的に働きかけなければ知ることはなかった。それがタイムラインによって受動的に入ってくる。(噂話も受動的だけど、SNSより格段に遅いし範囲が狭い)

 これによってもう見たくない!って人も嫌になるだろうし、発信する人も常にだれかにチェックされてるような気分にもなる。つまり情報を伝え、受け取る手段が増えたから、より一層気を使う羽目になった人もいるのがもう一つの弊害だと思う。

 

 でも、SNSは素晴らしいサービスだと思う。まだ新しいサービスだし、不安要素も多いけど使い方によっちゃ本当に有用なサービスだと思う。何より自分で生産したものが瞬時に多くの人に伝えられるのは本当に大きい。だからSNSは使われるより使う側に回った方がもっと面白い。

 

  

結論としては、「怖さや不安はあるけど、使い方をしっかりわかっていれば有用なサービス」だと思う。

 

 

 

 

 

余談だけど、もしもSNSがなかったとしても人と人が繋がる速度は以前より加速していたと思う。SNSはネットを介して人と人が繋がるシステムだから、SNSがなくてもネットは存在する。ていうことは、点と点を的確につなぐことはできなくとも同じ趣味趣向を持った人たちを大きな輪の中でくくることはできるから、人と人が繋がる可能性は上がっていた。かな

 

参考:

http://sorise.org/sns-history